11月7日プレスリリース:『彦根藩史料叢書侍中由緒帳19』を刊行しました。
このたび彦根城博物館では、みだしの印刷物を刊行しましたのでお知らせします。この史料集は、江戸時代の彦根藩士の履歴史料「侍中由緒帳」を活字化したもので、第19巻となります。
名称
『彦根藩史料叢書侍中由緒帳19』
印刷物の体裁、印刷部数
A5判・428ページ(単色刷り・上製本)、100冊印刷
頒布価格
11,000円(本館ミュージアムショップで販売)
内容
「侍中由緒帳」は、当館の所蔵する重要文化財「彦根藩井伊家文書」に含まれ、江戸時代に彦根藩が藩士の人事を管理するために作成・活用した基本台帳で、藩士各家の由緒や、当主の役職の任免や賞罰の履歴が記録されています。元禄4年(1691)、4代当主井伊直興の命により作成され、明治初年まで書き継がれました。藩士の実態はもちろん、彦根藩の歴史を知る上でも重要な基礎史料であるため、平成6年(1994)以来、刊行を継続しています。
この史料集では、「侍中由緒帳」の史料本文を忠実に翻刻(古文書のくずし字を活字に直すこと)し、人名や重要な記事についての注を付しています。また、各家に関する解説、各家の系図も収録しています。本巻には、原本の第54号に収められた中小姓27家と、第55号に収められた扶持方取23家の、計50家を収録しています。中小姓とは、石高で表示された知行(領地)を与えられた知行取藩士の下位、歩兵である徒の上位に位置し、40俵6人扶持、70俵6人扶持などの切米(10俵等)と扶持米(6人扶持等)を支給された藩士のことです。扶持方取とは、その多くは、一度断絶などの処分にあった後、家柄や先祖の功績を理由に再度取り立てられた家や、儒者や医者として召し抱えられた者からなり、7人扶持、8人扶持、15人扶持などの扶持米のみを支給された藩士のことです。




更新日:2025年11月20日