2月18日プレスリリース:特別公開「雛と雛道具」を開催します

更新日:2025年02月18日

HP番号: 27114

このたび、彦根城博物館において、みだしの展覧会を開催いたしますのでお知らせします。

名称

特別公開「雛と雛道具」

会期

令和7年(2025年)2月22日(土曜日)~3月16日(日曜日)
3月11日(火曜日)は休館
開館時間:午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

会場

彦根城博物館
展示室1

展示の趣旨

3月3日の上巳(じょうし)の節句に行われる雛祭りは、女児の健やかな成長を祈る行事です。元来、上巳に限らず、節句は季節の変り目にあたるため、病気などの災いが降りかかりやすい日と考えられてきました。そのため、節句には厄を払う祈りをし、厄を受ける身代わりとして人形(ひとがた)を作り、神に供えたり、厄払いとして川や海に流すということが行われました。後にこの人形は、飾り付けて楽しむものへと変化して行きました。江戸時代に入ると、桃の節句に、人形とともに菱餅や菓子、白酒などを供えて賑やかな飾り付けをして祭りを行うという、現代につながる習わしが定着しました。この人形は雛と呼ばれ、より華やかで精巧なものが作られるようになります。そして、実際の調度類を模したミニチュアの雛道具も作られ、雛と共に飾られるようになりました。

江戸時代の大名家の姫君の婚礼の際には、嫁入道具として、豪華な調度とともに雛と雛道具が誂えられました。雛道具は、婚礼調度を模し、数十件にも及ぶ大揃いのものとするのが通例でした。井伊家13代直弼(なおすけ)の息女弥千代(やちよ、1846~1927)が、安政5年(1858)に高松藩松平家世子頼聡(よりとし、1834~1903)に嫁いだ際にも、婚礼調度とともに愛らしい雛と雛道具が調えられました。

弥千代の雛は、紙製の衣装をまとう古式ゆかしい立雛(たちびな)です。雛道具は、井伊家の家紋の橘と松竹梅の文様が金蒔絵であしらわれ、実物の調度さながらに精巧に作り込まれています。その数は85件にも及び、賑々しい婚礼仕度の様子を今に伝えてくれます。本展では、弥千代の雛と雛道具を中心に、地元の旧家に伝わる古今雛(こきんびな)や段飾り、御殿飾りなどが一堂に会します。

今年度、当館では、経年劣化が進んで展示不可能となっていた弥千代の雛の修理を実施しました。本展は、その修理後初のお披露目を兼ねて開催するものです。よみがえった雛の可憐な姿とともに、春を彩る華やかな飾りの数々をご堪能ください。

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プレスリリース資料

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局 彦根城博物館 学芸史料課学芸係

電話:0749-22-6100
ファックス:0749-22-6520

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