8月25日プレスリリース:企画展「石田逸翁と秀蘭-高宮出身の兄妹絵師-」を開催します

更新日:2025年08月25日

HP番号: 28259

このたび、彦根城博物館において、みだしの企画を行いますのでお知らせします。

名称

企画展「石田逸翁と秀蘭 ー高宮出身の兄妹絵師ー」

会期

令和7年(2025年)8月28日(木曜日)~9月23日(火曜日・祝日)
*9月2日(火曜日)は休館
開館時間:午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

会場

彦根城博物館
展示室1・6

展示の趣旨

石田逸翁(いしだいつおう)(1800-69)は、近江国犬上郡高宮(たかみや)(現彦根市高宮町)出身で、京で活躍した絵師です。高宮は中山道の宿場のひとつで、逸翁は、この地で代々寺子屋の師匠をつとめる家に生まれました。字は孟敬、通称は永蔵と宮内、逸翁は号で、若い時分から名乗った秀峰の別号もあります。

逸翁がいつ京に出たのかは不明ですが、岸派の祖・岸駒(がんく)門人の白井華陽(しらいかよう)の門に入りました。岸派は、当時の京の有力画派のひとつで、円山派などの各流派を折衷しつつ、あくの強い独特の画風を最大の特色とします。現存が確認できる逸翁の作品を概観すると、大枠では当時の岸派の画風の範疇に入るもので、特に故事人物図を得意としていたようです。

逸翁は、天保4年(1833)、御室の仁和寺門跡より法橋に、弘化4年(1847)には法眼に叙せられました。京の有名文化人名録とも言うべき『平安人物志』嘉永5年(1852)版に掲載されるなど、京で絵師として知られた存在であったことが確認できます。また、地元では、高宮と同じ犬上郡内の南河瀬村(現彦根市南川瀬町)に逸翁の親戚にあたる旧家が在り、晩年の作品を中心に逸翁作品が数多く伝存しています。珍しい大和絵風の雛図や法事の際に贈られた仏画も含まれるなど、画の描かれた背景を窺うことができる貴重な作品群と言えるものです。

逸翁には3歳下の妹、秀蘭(しゅうらん)(1803-63)がいました。秀蘭もまた絵を描き、好んで花鳥画を手がけたといいます。16歳で剃髪して智光院と称しました。秀蘭は号で、清月という別号もあります。若い頃の画風から兄に画を習ったと目されますが、その画は、一筆一筆を丁寧に描き、年を重ねても愛らしい品の良さを感じさせます。専ら桜画を描いていた同時代の女性、織田瑟々(おだしつしつ)(近江国神崎郡住、1779-1832)の画の影響も見られ、多様な画を参考に作画していた可能性を指摘できます。

本展は、現在ではほとんど知られることがなくなった石田逸翁・秀蘭を紹介する初の展覧会です。

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プレスリリース資料

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局 彦根城博物館 学芸史料課学芸係

電話:0749-22-6100
ファックス:0749-22-6520

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