3月12日プレスリリース:テーマ展「鐔とりどりー技巧と意匠の粋ー」を開催します

更新日:2026年03月12日

HP番号: 29622

名称

テーマ展「鐔(つば)とりどりー技巧と意匠の粋(すい)ー」

会期

令和8年(2026年)3月19日(木曜日)~令和8年(2026年)4月20日(月曜日)
会期中無休
午前8時30分~午後5時
(入館は午後4時30分まで)

会場

彦根城博物館
展示室1

展示の趣旨

鐔(つば)は刀の装具の一つです。刀身と柄の境に装着することで刀の重心を整え、柄を握る手が滑ることを防ぐ働きを担います。また、相手の攻撃の盾となって手を保護する役割をも担っています。鐔の歴史は古く、現在確認される最も古い形は、古墳時代の大刀(たち)鐔にまで遡ります。奈良時代の唐大刀、平安時代の太刀(たち)、室町時代に現れた打刀(うちがたな)など、刀の形態の変遷に伴って、これに装着する鐔の形も変化しました。 

鐔が大きく発展したのは室町時代です。この頃、騎馬戦から密集隊形の徒歩戦へと戦闘形態が変化し、弓に代わって刀や槍の使用が盛行しました。これに歩調を合わせ、腰に下げて着用する太刀の代わりに腰に差して用いる打刀(うちがたな)が新たに誕生し、これが以後の刀の主流となります。そして、その装具である打刀鐔の制作も盛んになりました。定期的な様式美が追求された太刀鐔と異なり、打刀鐔では、多様な需要層の嗜好を反して、多彩な意匠が追求されました。 

打刀鐔は、簡素な丸形の鉄板鐔に始まり、これに小透文をつけた透鐔(すかしつば)が生まれました。一方で、高彫りや毛彫りを施した太刀鐔の影響を受けた、より精緻な彫文様の打刀鐔も生まれました。鐔の素材も、鉄の他に、銅や金、銀の合金などが用いられるようになり、文様表現でも、色絵や象眼などのより高度な技法が駆使されるようになります。

室町時代前期頃までは、鐔の制作は甲冑師や刀匠が余技的に行っていたとされますが、室町時代中期になると、鐔専門の金工も現れました。美濃の金工集団が、高肉彫りの力強い彫法で文様を表し、鐔を飾ったのもこの頃です。桃山時代には、埋忠明寿(うめただみょうじゅ)などの名工が輩出し、鐔の芸術性を一挙に高めたと言われます。江戸時代には、美濃出身の後藤祐乗(ごとうゆうじょう)を祖とし、装剣金工の宗家として代々為政者に仕えた後藤家が、将軍家はもちろん、大名家にも重用されました。江戸時代中期になると、各地で諸派が繁栄し、彦根でも喜多河宗典(きたがわそうてん)の一派が生まれ、彦根彫りと呼ばれた濃密な高彫り意匠で一世を風靡しました。

本展では、井伊家伝来品を中心に、鐔の優品が一堂に会します。藩主所用の指料(さしりょう)を彩った埋忠明寿の作、喜多河宗典晩年の逸品など、鐔愛好家垂涎の名品も登場します。掌に収まるような小さな鐔。その一つ一つにあしらわれた精緻な技と、時に大胆、時に繊細な意匠の数々をご堪能ください。

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プレスリリース資料

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局 彦根城博物館 学芸史料課学芸係

電話:0749-22-6100
ファックス:0749-22-6520

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