【第31回】お城の櫓の使い方

お城の櫓(やぐら)の使い方
もともと戦いがあった時の守りのために作られた中堀沿いの櫓は、世の中が平和になると倉庫や、藩の人事管理の事務所(京橋口御門)、武器管理の倉庫(佐和口多聞櫓)としても使われるようになりました。
中堀より内側は政治方針を決定する政治空間でしたが、その方針に基づく実務を行う施設も存在していたのです。
彦根城の中堀より内側の事務所は、いずれも藩の政治や城の運営に関するもので、領内の住民生活や商業などに関するものは、中堀より外に設けられ、ハッキリとそれぞれの区画の役割が定められていました。

- (彦根城の櫓を堀の外から眺めながら)
町人A「彦根城の櫓は立派やな。」
町人B「さすが、藩の威厳を感じますな。」 - 実は、中では・・・
京橋口・・藩の人事管理の事務、いろいろな事務仕事を行う家臣たちがせっせと働いている - 佐和口・・倉庫(ぐっちゃー)
家臣「大掃除やな・・・。」 - (ドスドスワーワーなお城に背を向けて)
町人A「さ、帰ろか。城は崇高な場所やな。」
町人B「安心ですな。」
(広報ひこね2025年12月号掲載)




更新日:2025年12月01日