子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)定期予防接種について
子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮の入口(頸部)にできるがんで、ほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で発症することがわかっています。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。感染しても大部分は自然に排除されますが、5~10年以上経て一部がんの発症につながることがあります。また発症年齢も20歳~30歳代に多くなっています。
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)について
現在、国内で接種できる子宮頸がん予防ワクチン(以下HPVワクチン)は、国内外で子宮頸がん患者から最も多く検出されるHPV16型、18型に対する抗原を含んでいる2価ワクチン(サーバリックス)と尖圭コンジローマの原因となるHPV6型、11型にも対応した4価ワクチン(ガーダシル)、HPV16 、18、31、33、45、52、58型の感染とそれによる子宮頸部異形成を予防するとともにHPV6、11型の感染とそれによる尖圭コンジローマも予防することが示されている9価ワクチン(シルガード)の3種類があります。シルガードについては、令和5年度に公費で接種できるようになりました。
HPV未感染者を対象とした海外の報告では、感染および前がん病変の予防効果に関してそれぞれ高い有効性が示されており、初回性交渉前の年齢層に接種することが各国において推奨されています。
ただし、HPVワクチンの接種を受けた場合でも、免疫が不十分である場合や、ワクチンに含まれている型以外の型による子宮頸がんに罹患する可能性もあり、20歳を過ぎたら定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。
HPVワクチン定期予防接種の積極的勧奨の再開について
HPVワクチンについては、国内でワクチン接種との因果関係を否定できない副反応事例が発生したため、平成25年6月14日付けの厚生労働省の通知により接種に関する積極的勧奨を差し控えていました。しかし、最近の知見を踏まえ、HPVワクチンの安全性に特段の懸念が認められず、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、令和3年11月26日付けの厚生労働省の通知により、積極的勧奨を再開することが決定されましたため、令和4年度より対象者への個別通知等を再開しました。
令和6年度の情報提供等の勧奨予定について
(1)個別通知(5~7月にかけて実施予定)
- 中学1年生、高校1年生相当の未接種者
- キャッチアップ対象者で未接種者
(2)厚生労働省作成のリーフレット配布またはデジタルチラシ掲載予定(6~7月にかけて)
- 市内小学校に在住の小学6年生の方
定期予防接種として接種を希望する場合は、厚生労働省のリーフレット(下記参照)を参考に効果と副反応を十分理解した上で接種してください。
HPVワクチンに関するリーフレット
定期接種の対象者
小学校6年~高校1年相当の女子
ワクチン接種のスケジュール
HPVワクチンの種類によって接種間隔が違いますので、ご注意ください。
接種にあたり、安全性・免疫原性・有効性の観点から、基本的には同じ種類のワクチンを接種してください。
【2価ワクチン(サーバリックス)】
- 1回目 初回接種
- 2回目 初回接種から1か月後
- 3回目 初回接種から6か月後
(ただし、上記の期間がとれない場合は、1か月以上の間隔をおいて2回の注射を行った後、1回目の注射から5か月以上、かつ2回目の注射から2か月半以上の間隔をおいて1回行う。)
【4価ワクチン(ガーダシル)】
- 1回目 初回接種
- 2回目 初回接種から2か月後
- 3回目 初回接種から6か月後
(ただし、上記の期間がとれない場合は、2回目の接種は、1回目の接種から1か月以上、3回目の接種は、2回目の注射から3か月以上の間隔をおくこと。)
【9価ワクチン(シルガード)】
令和5年4月より、定期接種となりました。
15歳未満の方 2回接種
- 1回目 初回接種
- 2回目 初回接種から6か月後
(ただし、上記の期間がとれない場合は、1回目の注射から少なくとも5か月以上の間隔をおくこと。2回目が5か月未満の場合は、3回目の接種が必要になります。)
15歳以上の方 3回接種
- 1回目 初回接種
- 2回目 初回接種から2か月後
- 3回目 初回接種から6か月後
(ただし、上記の期間がとれない場合は、2回目の接種は、1回目の接種から1か月以上、3回目の接種は、2回目の注射から3か月以上の間隔をおくこと。)
接種方法
予診票は、実施している医療機関(下記参照)または健康推進課に設置しています。
また事前に予約が必要な場合がありますので、医療機関へ確認してください。
(注意)接種当日に彦根市に住民登録があること。
(注意)市外や県外の医療機関で接種をご希望の場合は、事前申請が必要です。健康推進課にお電話または窓口で申請してください。
持ち物
- 母子健康手帳
- 健康保険証等の本人確認書類
- 委任状(16歳未満の接種者で接種時に保護者以外が同伴する場合に必要)
(注意)予診票は、HPVワクチン実施医療機関または健康推進課に設置しています。
接種後の注意点
ワクチン接種後、注射した部分が腫れたり痛むことがあります。また接種後に失神など副反応が現れることがありますので、接種後30分くらいは、実施医療機関で観察するなど安静にし、接種後の移動の際には、保護者等が腕を持つなどして付き添うようにしてください。
当日は激しい運動は避け、接種部位に異常な反応や体調の変化があった場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。
ワクチン接種による健康被害救済措置に関しては、健康推進課へお問い合わせください。
キャッチアップ接種について(令和4年4月1日~令和7年3月31日)
積極的勧奨が差し控えられていたことにより接種の機会を逃した方に対して、公平な接種機会を確保する観点から、公費(無料)による接種機会を令和4年4月1日から令和7年3月31日までの3年間に提供することとなりました。
公費の負担での接種は、令和6年度で終了します。接種を希望する方は、早く接種を開始してください。
接種の仕方や注意事項は、基本的に定期接種対象者と同じです。接種の前に、ご本人とご家族でリーフレットを必ずお読みください。ワクチンの有効性とリスク等を十分にご理解いただいた上で、体調の良いときに接種するようにしてください。
(注意)予診票は、市内実施医療機関または健康推進課にあります。
(注意)接種履歴や生年月日等を確認しますので、母子健康手帳と本人確認書類をお持ちください。
キャッチアップ接種の対象者
積極的勧奨を差し控えている間に定期接種の対象であった
平成9年(1997年)年4月2日生まれから平成20年(2008年)4月1日生まれの女子
キャッチアップ接種対象者で自費でHPVワクチンを受けた方へ
彦根市ヒトパピローマウイルス感染症任意接種助成金の申請について
市内実施医療機関
令和6年度彦根市個別予防接種医療機関名簿 (PDFファイル: 352.2KB)
接種前に迷ったらここに相談(予防接種の基礎知識/子宮頸がん、HPVワクチンの基礎知識について)
・滋賀県小児保健医療センター(予防接種センター)
電話番号 077-582-6296
※受診相談の際は初診料がかかる場合があります。
相談受付日時
(火曜)9時~12時30分、13時30分~16時30分
(水曜)9時~12時
(木曜)13時30分~16時30分
・厚生労働省 感染症・予防接種相談窓口
電話番号 0120-331-453
受付日時
月曜日~金曜日 午前9時~午後5時(土曜・日曜・祝日、年末年始を除く)
HPVワクチンを含む予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般についての相談にお応えします。
(注意)行政に関するご意見・ご質問は受け付けておりません。
(注意)本相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間業者により運営されています。
接種後の症状に悩んだらここに相談
HPVワクチン接種後の症状や相談に関して、滋賀医科大学附属病院が協力医療機関となっています。
まずは接種した医療機関にご相談したのち、協力医療機関にご連絡してください。
- 滋賀医大附属病院 母子女性診療科(患者支援センター)
電話:077-548-2576
※土日祝日、年末年始を除く
HPVワクチン情報
GSK グラクソ・スミスクライン(サーバリックス)
「すべての女性に知ってほしい子宮頸がん情報サイト」 allwomen.jp(外部サイト)
MSD株式会社(ガーダシル、シルガード)
更新日:2024年09月02日