応急手当の重要性

更新日:2019年10月12日

応急手当の目的

私たちは、いつ、どこで、突然のけがや病気におそわれるかわかりません。そんなときに、家庭や職場でできる手当てのことを応急手当といいます。病院に行くまでに応急手当をすることで、けがや病気の悪化を防ぐことができます。
応急手当の目的は、「救命」「悪化防止」「苦痛の軽減」です。
その中でも、救命を目的とした手当が最優先となります。応急手当は、ケガや病気を治すために行うのではなく、現在以上に悪化させないことが目的となります。できるだけ苦痛を与えない手当を心がけ、励ましの言葉をかけてあげましょう。
また、心臓や呼吸が止まった人に対する応急手当を、救命処置といいます。

応急手当と救命曲線

脳は、心臓が止まると15秒以内に意識がなくなり、3分から4分以上そのままの状態が続くと回復することが困難となります。心臓が止まっている間、心肺蘇生によって脳や心臓に血液を送り続けることがAEDの効果を高めるとともに、心臓の動きが戻った後に後遺症を残さないためにも重要です。

応急手当と救命曲線

応急手当と救命曲線の折れ線グラフの図
  • 時間の経過で低下する救命のチャンス
  • 応急手当が救命のチャンスを高める

〔改訂4版応急手当講習テキスト救急車がくるまで〕より引用

除細動(電気ショック)の必要性

 心臓が突然止まるのは、心臓がブルブルと細かくふるえる「心室細動」によって生じることが少なくありません。この場合には、できるだけ早く心臓に電気ショックを与え、心臓のふるえを取り除くこと(これを「除細動」といいます)がとても重要です。
 AED(自動体外式除細動器)は、この電気ショックを行うための機器です。心室細動になってから電気ショックを行うまでの時間が遅れるごとに、生存退院のチャンスが低下することが知られています。

心室細動の時間経過と生存退院率

心室細動の時間経過と生存退院率グラフにした図

生存退院率が1分ごとに7パーセントから10パーセント低下する

 この図は、心室細動になってから除細動を行うまでの時間経過と生存退院率の関係を表しています。
 除細動をするのが1分遅れると、生存退院率が7パーセントから10パーセントの割合で下がってしまいます。
 現場に居合わせた人が、その場で早期に除細動を行うことが重要となります。
 大切な事は、AEDがその場にあるかないかに関わらず、救急車が到着するまで心肺蘇生法を続け、救命の鎖を継続することです。

救命の連鎖(救命のリレー)

救命の連鎖、救命のリレーイメージ図

心停止の予防

 子供の突然死を未然に防ぐことや生活習慣の改善でその発症リスクを低下させることも大切な予防のひとつです。

心停止の早期認識と通報

 心停止を早く認識するためには、突然倒れた人や、反応のない人をみたら、ただちに心停止を疑うことが大切です。心停止の可能性があれば大声で応援を呼び、119番通報とAEDの手配を依頼し、AEDや救急隊が少しでも早く到着するように行動します。

一次救命処置

 一次救命処置とは、心肺蘇生法とAEDの使用によって、止まってしまった心臓と呼吸の動きを助ける方法です。

二次救命処置と心拍再開後の集中治療

 救急救命士や医師が、薬や器具などを使用して心臓の動きをとり戻すことを目指します。そして、心臓の動きをとり戻すことができたなら、専門家による集中治療により社会復帰を目指します。

 [心停止の防止][早期認識と通報][一次救命処置][二次救命処置と心拍再開後の集中治療]の4つ輪が迅速に、途切れることなくすばやくつながることで救命効果が高まります。
この連鎖がひとつでも欠けたら命を救うことはできません。

この記事に関するお問い合わせ先

消防署 本署

電話:0749-22-6119
ファックス:0749-22-9427

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