《2024》作文部門 入賞作品

更新日:2025年03月03日

HP番号: 19192

昨年の7月から12月まで募集しました「彦根市はーとふるメッセージ2024」へ、多数のご応募ありがとうございました。令和6年度は、作文部門、標語部門、ポスター・絵手紙部門の3部門合わせて871点もの作品をご応募いただきました。どの作品も、様々な人権問題を解決していこうとする決意や人権尊重に対する思いに溢れた素晴らしいものばかりでした。

本作品集は、ご応募いただいた作品の中から選ばれた54点の入賞作品を掲載しています。一人ひとりが身近にある人権問題に気づき、ひいては人権が尊重されるまちづくりについて考えるきっかけとなればという願いを込めて作成しました。学校や地域など様々な場面での人権学習・人権啓発の資料としてご活用いただければ幸いです。

最後に、今回ご応募いただきました皆様、ご協力を賜りました関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

作文部門

学年等は応募当時のものです。

作文はすべてPDFファイルで添付しています。
ご覧になりたい作文タイトルをクリックすると作文作品を見ることができます。

小学生の部

特選

佐和山小学校 5年 西村 心杜(にしむら みと) さん

稲枝東小学校 6年 高尾 実鈴(たかお みすず) さん

※高は異体字のはしごだかです。

入選

高宮小学校 3年 福田 昇(ふくだ しょう) さん

稲枝西小学校 5年 西田 寧花(にしだ にか) さん

城東小学校 6年 佐渡 大輝(さわたり だいき) さん

城東小学校 6年 久木 柊乃丞(ひさき しゅうのすけ) さん

中学生の部

特選

中央中学校 2年 尾本 芽唯(おもと めい) さん

稲枝中学校 2年 中村 一心(なかむら いちこ) さん

入選

中央中学校 1年 伊藤 明莉(いとう めいり) さん

彦根中学校 2年 山田 いろは(やまだ いろは) さん

彦根中学校 3年 中嶋 莉愛(なかじま りあな) さん

鳥居本中学校 3年 小崎 愛音(おざき あいね) さん

一般の部

特選

彦根総合高等学校 1年 川上 羚菜(かわかみ れいな) さん

近江高等学校 3年 永原 優(ながはら ゆう) さん

入選

彦根総合高等学校 1年 田中 美凪(たなか みなぎ) さん

彦根総合高等学校 1年 教野 翔愛(きょうの とあ) さん

彦根総合高等学校 1年 川瀬 詩(かわせ うた) さん

近江高等学校 3年 辻 杏侑奈(つじ あゆな) さん

※辻は異体字です。

作文部門総評

作文部門には、小学生の部164点、中学生の部47点、一般の部37点の応募があり、応募総数は248点でした。多くの方のご応募をいただき、ありがとうございました。

全ての部において、文章構成や表現に長け、学校で学んだことや、自らの経験からの気付き、今後の生き方に生かそうとする思い等が素直に綴られていました。甲乙付けがたい作品の中から、「人権尊重の思いを読み手に強く伝えようとしているか」、「自らの経験に基づいているか」、「自らの言葉を用いて論理的に文章を書いているか」等の観点をもとに、特選、入選作品を選考いたしました。

 

【小学生の部】

学校や家庭での経験や、総合的な学習の時間、道徳科、人権に関わる学習や活動等の中で学んだことをもとに、自分の言動や友達との関わりを振り返ったり、日々の様々な場面で尊重されるべき人権について深く思いを至らせたりしている作品が多く見受けられました。

高学年の作品には、「ハンセン病」差別の歴史から、「新型コロナウイルス」の差別に切り込んだ作品がありました。誤った知識から疑心暗鬼となり、人類が差別を繰り返していたという事実に、いつでも差別は起こってしまうこと、自身も加害者にも被害者にもなり得ることに気付かされました。

時を経ても差別を受けた人にとって苦しみは消えることがありません。あらゆる差別は、無知による偏見から起こり、周囲の強い意見に流されてしまうという人間の脆さを否応なしに感じます。「過ちの歴史を繰り返してはいけない、差別によって苦しむ人がいない社会に」と、子ども達から素直な訴えを感じ取ることができ、心に響きました。

また、戦争反対について綴られた作品からは、「戦争は最大の人権侵害である」と改めて気付きました。ウクライナとロシアの戦争は三年にも及んでいます。なぜ戦争をやめないのかと憤りを表現していることに、我々大人ももっと訴えるべきではと考えさせられました。他国のことと無関心でいること自体も人権問題につながるということも気付かされました。戦争のない平和な世界こそ、人権が守られていると言えます。人権を守るためにも、未来を担う子ども達にとって、戦争のない平和な世界であることを願ってやみません。

どの作品も周りの人との関わりの中で、互いの笑顔を守るために言動に気を付けることが大事だと訴えていました。簡単なことのようですが、それを心がけて実践していくことで人権尊重の認識ができ、一人ひとりの心の中に確かに培われるのではないかと思いました。

 

【中学生の部】

学校の人権学習での学びから、自らの生き方を振り返り、自分の思いや気付きを力強く発信しようとしている作品が多く見られました。

部落問題を取り上げた作品は、脈々と繰り返されてきた、理不尽で不合理な差別に苦しむ人が現在もおられるという現実に、部落問題について学ぶことの意味を見出し、憤りと共に自分にできることを追い求めていくという強い決意を感じました。

また、昨今問題になっているSNSでの誹謗中傷にも触れられていました。簡単に書き込むことができるネット社会、自分自身が加害者にならないよう、常に相手意識をもつことや、言葉の使い方に一層の注意が必要ということも強く訴えていました。

差別を無くすために、社会にある全ての差別について、まずは「知ること」、そして「当事者意識をもつこと」が大事なのではないかという考えに深く共感しました。自身の勝手な思い込みによって、周りの人々の権利を奪ってしまっていること、それが差別を温存・助長していることにつながっていることに気付かなければいけないと思いました。「人は一人では生きていけない、人とつながって支え合っていくことが大事」だと、誰もが教わってきています。それが、机上の空論で終わることがないよう、実践される社会にしていかなければいけないと強く感じました。

どの作品も、身の回りで起こる一つひとつの出来事に人権感覚を研ぎ澄まし、気付きや他者との向き合い方について、論理的に文章を書き進めている様子が伺えました。

 

【一般の部】

これまでの人生の中で出会った一つ一つの場面や、心が震えるような他者との関わりなどを大切に綴っていただいた作品に触れました。ご自身やご自身の人生を大切に、時間を積み重ねてこられたことが伝わり、深く心を動かされました。

作品の中には、「多様な性」について自らの経験をもとに取り上げた作品が多く見受けられました。当たり前に着ていた「制服」から男女差別に切り込んだり、「同性婚」が認められない社会への訴えがあったりと、自分の身の回りの習慣や常識、社会制度について立ち止まり、多様な性について知ろうとすることに加え、自らが多様な性について理解を深めたいという思いが力強く表現されていました。

「人種差別」についての作品からは、違うことを受け入れられない社会が浮き彫りになっていることに気付かされました。国際交流が進む中で、今後も国境を越えて、互いの文化を知って理解すること、そして互いを尊重し合う世界でなければいけないと思います。人権を考える際には、世界に視野を広げ、人そのものを認め合うことが大切だと改めて考えさせられました。

また、人は一人ひとり違って当たり前なのに、どこか「同調性」を求めてしまう日本社会の中で、そこから外れてしまった時、孤独を感じたり、「生きづらさ」を抱えてしまったりする人々が多くいます。誰もが暮らしやすい社会にするために、自分本位で決めてしまった「普通」や「当たり前」を無くしていく必要があると感じました。

 

応募いただいた作品は、読まれた方に「人権とは何か」と、考えさせるきっかけを与えてくれます。何気ない日常生活の中で、人権の重みや人としての在り方を意識されていることが伝わる多くの作品に出合わせていただきました。作文を書くことで、改めて自分の人権意識を振り返り、見つめ直すことにつながったのではないかと思われます。これからも多くの方に自身の思いを文章で発信いただき、人権尊重の願いが広く確かに醸成される貴重な機会となることを願っています。(関本 美智子)

 

作文部門選考委員
    関本 美智子
    武部 康広
    北川 博

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この記事に関するお問い合わせ先

企画振興部 人権政策課 人権啓発係

電話:0749-30-6115
ファックス:0749-24-8577

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