《2024》標語部門 入賞作品
昨年の7月から12月まで募集しました「彦根市はーとふるメッセージ2024」へ、多数のご応募ありがとうございました。令和6年度は、作文部門、標語部門、ポスター・絵手紙部門の3部門合わせて871点もの作品をご応募いただきました。どの作品も、様々な人権問題を解決していこうとする決意や人権尊重に対する思いに溢れた素晴らしいものばかりでした。
本作品集は、ご応募いただいた作品の中から選ばれた54点の入賞作品を掲載しています。一人ひとりが身近にある人権問題に気づき、ひいては人権が尊重されるまちづくりについて考えるきっかけとなればという願いを込めて作成しました。学校や地域など様々な場面での人権学習・人権啓発の資料としてご活用いただければ幸いです。
最後に、今回ご応募いただきました皆様、ご協力を賜りました関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
標語部門
学年等は応募当時のものです。
小学生の部
特選
みんなの笑顔は 地球があいする 宝物 | 高宮小学校 6年 金戸 柚月(きんと ゆずき) さん |
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ありがとう 言葉でつながる 笑顔のパワー | 高宮小学校 6年 小田 莉音(おだ りのん) さん |
入選
だれにでも やさしくすると いい気持ち | 平田小学校 3年 井上 環(いのうえ たまき) さん |
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うれしいよ たすけられても たすけても |
城西小学校 4年 ※柳は異体字です。 |
「手伝えることはないですか?」 その一言をかけてみて | 佐和山小学校 4年 本城 杏樹(ほんじょう あず) さん |
普通なんて ただの誰かの 基準だろ | 城北小学校 6年 小林 楓(こばやし かえで) さん |
中学生の部
特選
心は花 やさしい言葉は 水になる | 南中学校 1年 畑井 要(はたい かなめ) さん |
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君の色 大きく描こう キャンバスに | 河瀬中学校 2年 中村 瑠菜(なかむら るな) さん |
入選
認め合う カラフルな色 それは個性 | 中央中学校 1年 森田 優(もりた ゆう) さん |
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無理しなくても いいんだよ 自分の事を大切に | 彦根中学校 1年 上田 由奈(うえだ ゆな) さん |
軽いノリ それはほんとに ノリですむ? | 南中学校 2年 清水 創太(しみず そうた) さん |
その違い あっていいんだ 人だもの | 匿名希望 さん |
一般の部
特選
思いやりは 心のバリアフリーの 第一歩 | 彦根市子どもセンター 小林 千秋(こばやし ちあき) さん |
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多様な社会で 笑顔になれる種を蒔こう 個性が咲き誇れるように! | 不破 誠二(ふわ せいじ) さん |
入選
多種多様、いろいろな考え、理解する | 彦根工業高等学校 2年 小林 健介(こばやし けんすけ) さん |
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意識しよう 個性と悩みを認め合い助け合うまちづくり | 株式会社 たけびし 滋賀支店 定廣 将太(さだひろ しょうた) さん |
笑顔に会えると、こちらも笑顔。 笑顔にいっぱい会いたいな。 |
株式会社アドバンス ※櫛は異体字です。 |
とめないで、向上心! つぶさないで、可能性! 決めないで… あなたの限界!! | 匿名希望 さん |
標語部門総評
標語部門には、小学生の部256点、中学生の部57点、一般の部35点、総数348点の応募がありました。どの作品も日常生活の中で感じた人権課題について素直に表現した作品ばかりでした。
小中学校での計画的な人権教育、地域における学習会や啓発活動は以前から取り組んでいますし、これからも続きます。学校・地域で行う人権教育が、私たちの人権意識を高めることにつながっています。そうやって学んだことを表現できるものが「言葉」です。私たちが日常発する言葉には人を動かす力があります。人権について言葉に表すことで、周りの人に伝わります。標語という言葉の連なりが周りの人に影響を及ぼす力となります。
人権標語の選考にあたり、この標語がどのような力になるのか、人々の心に残すメッセージとなるのかをよく吟味して選考しました。小学生から一般の部と作り手に年齢差はありますが、彦根市民の皆さんが今年度の標語を読んで、人権について考え、「言葉」について考えるきっかけとなればと思います。
【小学生の部】
日々の人権学習で学んだことをもとに、心に残る出来事を思い起こしたり、日常感じたりしていることを上手に標語に表現しています。特に低学年は、学級という集団を意識して協力をテーマにしたものが多かったです。学年が上がるにつれ、標語の背景が一般化されていきます。「笑顔」や「ありがとう」という言葉はあたたかさを感じます。あたたかさを感じさせる標語と、間違いをはっきりと正す標語、感じたことを明確に言葉に表していて、小学生らしい素直さを感じました。
【中学生の部】
中学生の部になると、ぐんと視点が広がります。言葉や行動について振り返るきっかけを与えてくれる標語に加えて、多様性に関する標語が増えました。多様性とは、性別、年齢、国籍、宗教、性的指向など、人々が生まれ持った様々な違いを認め、尊重することです。多感な時期の中学生が感じている日常を、タイムリーな内容を加えながら表現した標語が、心に響きました。
【一般の部】
一般の部も、多様性をテーマにしたものが多く見られました。小学生、中学生の部にはない、社会やまちづくりに向けての標語が多いということが一般の部の特徴といえます。鋭い切り口の標語、伝える相手を焦点化してストレートに伝える技法は、人権についてもっと考えてほしいという熱意が伝わりました。人権問題を自分事としてとらえているという点で、一つ一つの言葉に重みが感じられました。
人権標語を作る側、読む側と二手に分かれますが、二手をつなぐものが言葉の力です。言葉の力によって、標語の意味が広がります。多くの彦根市民の方に、これらの素晴らしい標語を読んでいただき、言葉の力を感じ、その意味を考えてほしい、標語を読んで自身の人権意識をさらに高める機会になってほしいと願っています。(北村 里美)
標語部門選考委員
北村 里美
田口 全男
鑑継 朱里
更新日:2025年03月11日