<総 評>
昨年より一篇少ない十八篇の応募であった。それぞれの作品に込められた人生模様や人間関係の綾の中に、つい引きこまれてしまった。
しかし、そうした日常生活や回顧録もよいが、それ等を離れたところにも格好のテーマは幾つもあり、掘り起こせば興味深い題材も沢山あると思う。歴史、文化や自然の営みなど、視野を広く持つことは書き手の心を豊かにし、それを追求することが個性を磨き、それぞれの人生観をより深いものに高めると思う。
その他気づいた点を言えば、
(一) |
題名を読めば内容のわかるのも悪くはないが、そこはもうひと工夫欲しい。 |
(二) |
単に書き連ねるだけでなく、起承転結など文章構成も考える。 |
(三) |
誤字が無いかどうか、句読点、読点への配慮など更なる推敲に努める。 |
(四) |
原稿用紙五枚を有効に使い切って、思いのたけを全てぶちまけることが必要。 |
などである。
言いたいこと、伝えたいことが曇りなく読み手に伝わるかどうか「まず伝わってこそ文章」という原点に立ちかえりたいものである。
(角省三)
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