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               <総 評> 
               応募数の急増に身のひきしまる思いを持ちました。良い作品が多く、選考の過程では思わず呻吟させられました。 
                 随筆を書くという文芸の道にも、最低限の決まりごとがあり、いわばその「芸ごと」の範疇に納められた作品であるかどうか、などについてもよく読ませてもらいました。 
                 主語と述語の関係、話し言葉ではなく、誰にでも読んでもらえる書き言葉になっているかどうか、改行時の一段落ちや句読点、など細かい点が気になる作品もありました。 
                 せっかく内容も良く書き込まれているのに、余りにも類型的、経過報告的なものがあり、ひとこと「思い」を入れるなどの工夫があればと惜しまれました。逆に、個性的手法で「心の葛藤」まで描き出され、感動的な作品にも出会うことができました。 
                 名著、名文を読むだけでなく、新聞のコラム欄や、随想、投書欄などにも心に残る良い文章があり、それらも良い参考になるかと思います。 
              角省三 
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