<総評>
作者の「顔」に出会いたい。何を、どのように訴えようとしているのかという、メッセージに接したい。「説明」とはちがう「何か」がほしい。そんな思いを抱きながら、力作二十一編を読ませて頂いた。
作品を創り上げるには、「あれも、これも」という雑念を削り取る作業が欠かせない。その作業の過程で無駄のない構成が生まれ、字句や用語の誤りを正すことができる。これらの手間が簡略化されていると、どうしても作品としての完成度は低くなる。誤字、脱字はもちろん、改行や句読点の打ち方にも細かなチェックが必要である。
つねに、「現代」とのつながりを忘れないでいたい。規定は「原稿用紙五枚以内」である。思いはいっぱいあるはずだ。五枚が使い切れていないと、つい物足りないという印象が生じてしまう。
(中島 伸男)
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