<総評>
今年の応募数は二十八編で、昨年より七編増えた。応募作品の内容は、全体の傾向として、家族と自分との関わり、地域社会と自分との関わり、自分自身の生き方など綴ったものが多かった。世相を反映した現代的な課題を取り上げたものも見られた。
中には、とても良い題材であるが短編小説風にまとめられていて、惜しまれる作品もあった。随筆として推敲を重ねれば、良い作品になると思う。
また、応募作品の中には、題名が疎かにされているものが多々見受けられた。題名は内容の核であり、書く人にとっては題名が創造力を働かせるものであるし、読む人にとっては題名が想像力を膨らませるものであるから、丁寧に吟味して付けたい。的確で相応しい題名を付けることによって、テーマが絞られ、筆者の思い入れも冷静に深まっていく。題名を熟考して欲しい。次回の応募作品に期待する。
(山口 育子)
|