市民文芸作品入選集
随筆・評論
中島 伸男、松室 孝慧、山口 育子 :選
 

特選
犬上郡甲良町   上野 初子
長浜市   森 和
大薮町   雨森 昭夫
 
入選
大薮町   雨森 昭夫
中央町   近藤 正彦
大薮町   西野 みどり
芹川町   木村 弘和
中藪一丁目   中村 速男
佐和山町   松本 澄子
 
佳作
東沼波町   清水 節子
東近江市   松本 ちずる
後三条町   三宅 春代
日夏町   秋津 マモル


<総評>

 今年三月、東日本を襲った大地震と津波、それに伴う原発事故によって、私達は今なおいろいろなことを考えさせられている。
 今回の応募作品の中に、直接この災害に触れたものは無かったが、身近な事象に眼を注ぎ、そこから掬いあげられた普遍性ある作品に、共感を覚えた。
 「作品」には、人との交流が描かれ、社会との繋がりがあり、その上で現在の自分が描かれる。その「作品」の書き出しは、簡素かつ広がりがあって読者に次の展開を期待させるものが要る。自分の思いを余すところなく伝え、締め括りは余韻を残して終わりたい。読者は読み終えた後、作品に込められた筆者のメッセージに思いを馳せ、両者はテーマを共有する。
 昨今メディアは、人間関係が希薄化した日本を「無縁社会」であると報じるが、私達は作品を媒介として、テーマを共有し繋がっている。彦根「市民文芸」を、繋がりの場と位置づけたい。

(山口 育子)

 
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