6月21日プレスリリース:稲部遺跡出土の靫にかかる調査成果について
稲部遺跡で出土した靫(ゆき)と呼ばれる3世紀中頃(約1,800年前)の矢入れ具の調査成果についてお知らせいたします。
内容
令和元年に出土した漆で塗られた繊維製品が、その後の分析と調査検討により、古墳時代初頭(紀元3世紀中頃・約1、800年前)の「靫(ゆき)」と呼ばれる武具の一種、矢入れ具であることが明らかになりました。
稲部遺跡で出土した靫は、2本の横帯部分などが残った状態で、集落遺跡の導水施設とみられる溝で長大な板などとともに出土しており,国内最古段階の資料となります。この靫は,古墳時代前期の古墳に副葬された例より古く,靫の製作と使用が始まった様子,古墳時代初頭の社会、紡織技術を知るうえで重要な資料です。
あわせて,3世紀の古墳出現期における稲部遺跡の規模,構造,時期,性格などを考えるうえで大きな歴史的意義をもつ調査成果です。
更新日:2024年09月02日