《2022》作文部門 入賞作品

更新日:2023年04月01日

今年度も、市民の皆さんから、「はーとふるメッセージ」を募集しましたところ、作文、標語、ポスター・絵手紙の3部門に合わせて905点のすばらしい作品が寄せられました。どの作品も、あらゆる人権問題を解決していこうとする決意や、人権尊重の願いがこめられたものばかりでした。

本作品集は応募いただいた作品の中から選ばれた54点の入賞作品を掲載し、身近にある人権問題に気づき、人権が尊重されるまちづくりについて考えるきっかけとなることを願い作成いたしました。作者の思いが詰まったこれらの作品を、さまざまな機会で学習・啓発の資料として多くのみなさまに活用していただければ幸いです。

ご応募いただきました皆様ならびにご協力を賜りました関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

作文部門

学年等は応募当時のものです

作文はすべてPDFファイルで添付しています。
ご覧になりたい作文タイトルをクリックすると作文作品を見ることができます。

小学生の部

特選

城東小学校 5年 谷口 実侑奈(たにぐち みゆな) さん

亀山小学校 6年 田中 愛梨(たなか あいり) さん

入選

城南小学校 4年 林 義仁(はやし よしと) さん

河瀬小学校 4年 中元 悠翔(なかもと ゆうと) さん

若葉小学校 5年 𦚰 夕夏(わき ゆうか) さん

城北小学校 5年 大鳥井 理乃(おおとりい りの) さん

中学生の部

特選

中央中学校 1年 北村 優季(きたむら ゆうき) さん

稲枝中学校 1年 大嶺 ルアニ(おおみね るあに) さん

入選

彦根中学校 2年 安田 絢音(やすだ あやね) さん

彦根中学校 2年 荻野 くるみ(おぎの くるみ) さん

彦根中学校 3年 細川 渚(ほそかわ なぎさ) さん

稲枝中学校 3年 辻 昂希(つじ こうき) さん

一般の部

特選

彦根総合高等学校 1年 三橋 聖愛(みつはし せな) さん

彦根総合高等学校 1年 古川 大稀(ふるかわ だいき) さん

入選

彦根総合高等学校 1年 長谷川 詩姫(はせがわ しき) さん

彦根総合高等学校 1年 椋本 萌右(むくもと もゆ) さん

彦根総合高等学校 1年 清水 翔愛(しみず とあ) さん

彦根総合高等学校 1年 中井 星輝(なかい ほくと) さん

作文部門総評

 

小学生の部に169点、中学生の部に40点、一般の部に19点の応募があり、応募総数は228点でした。多くの方のご応募をいただき、ありがとうございました。

すべての部門において、文章構成や表現に長け、自らの経験や学校の道徳科の授業や人権学習等で学んだこと、そこから得た気づきや思いを今後にどう活かし、どう自分と向き合うのか、また、違いや多様性を認め合うこととは、と自らに問いかける作品が多いという感想が選考委員からあがりました。「人権尊重の思いを読み手に強く伝えようとしているか」「自らの経験に基づいているか」「自らの言葉を用いて論理的に文章を書いているか」等の観点をもとに、甲乙つけがたい作品の中から、特選、入選作品を選考しました。

 

【小学生の部】

学校や家庭での経験や、総合的な学習の時間、道徳科、人権に関わる学習や活動等の中で学んだことなどをもとに、自分の言動や友達とのかかわりを振り返ったり、日々の様々な場面で尊重されるべき人権について深く思いを至らせたりしている作品が多く見られました。友達や家族との言葉のやり取りから得た気づき、これまで当たり前だと思っていたことの中で見えた人権、病気や介護とどう向き合うか、インターネットやSNSとは、など、発達段階に応じて視野を広げ、誰もが幸せに生きる権利について、自分の気づきや思いを綴っていることが深く印象に残っています。高学年児童の作品には、一昨年開催された、東京オリンピック、パラリンピックから感じたことや、障害者スポーツ体験、人種差別やいじめを題材とする作品もあり、互いを知り、深く触れ合うことで、違いや相手の立場を理解しようと努めることの大切さに改めて目を向けている作品が、各学年に見受けられました。

他者だけでなく、自分や自分の学校生活、家庭生活も振り返り、相手や周りの人とのつながりの大切さを力強く訴えている作品も多く見受けられ、子ども達が、これから先の人生において、健やかに自尊感情を育むと共に、他者との温かなつながりを大切にしてほしいという願いを強くしました。

今後も、日々の生活の中で、人権尊重の認識が一人ひとりの心の中に確かに培われることを願います。

 

【中学生の部】

人権学習等で学んだことや学校生活の中で、自らの経験を重ね合わせながら、自分の思いや気付きを論理的に力強く発信しようとしている作品が多く見られました。学級の中には、様々な立場や個性の友達がいて、それぞれの思いや願いに自分から寄り添うことをテーマとする作品に触れ、「友達を大切にするとは」と深く考えさせられました。外国人や男女等の差別やいじめの中に潜む弱さや他者への意識の低さ、歪んだ自尊感情や自己防衛という側面をとらえ、相手の気持ちや立場に思いを至らせることのできない現実を目の当たりにして、自分に何ができるかを探りながら立ち向かおうとする毅然とした思いを、どの作品からも感じました。

部落問題を取り上げた作品は、脈々と繰り返されてきた、理不尽で不合理な差別に苦しむ人が今もいるという現実に、部落問題について学ぶことの意味を見出し、憤りと共に自分にできることを追い求めていくという強い決意を感じました。人を深く傷つける媒体ともなり得るインターネットやSNSについて、常に相手意識をもちながら利用するという慎重な姿勢を備えることの大切さを強く訴えていました。

どの作品も、身のまわりで起こるひとつひとつの出来事に鋭く人権感覚を傾け、気付きや他者との向き合い方について、論理的に文章を書き進めている様子がうかがえました。

 

【一般の部】

幅広い年齢層の方から応募いただきました。これまでの一つ一つの場面や時間の積み重ねを大切に綴っていただいた作品に触れました。ご自身や、周りの方とのかかわりを大切にこれまでを振り返っておられることが伝わり、深く心を動かされました。

「いじめ」をテーマとした作品では、加害、被害双方に目を向け、どちらも深く傷つくといういじめの構図について深く考えたり、自分を含む周りが、それぞれの立場でできることを実践することの大切さに気付いたりする作品に出会わせていただきました。たとえ当事者になったとしても、決して一人で抱え込まず、迷わず救いの手を求めようという呼びかけが多くの人の背中を押してくれることを願っています。

また、言葉は、人の尊厳を踏みにじるものにもなれば、時に人を支え励ますかけがえのないツールとなることを伝えてくれる作品にも出会わせていただきました。「ふつうは・・・」という、場面によっては思い込みによる、無意識の一言にも人権感覚を研ぎ澄まそうと呼びかける作品にも触れ、言葉の大切さや、言葉のもつ力について改めて考えさせていただく機会をいただいたようにも感じました。

また、障害のある方とのかかわりをテーマとする作品には、その中で得た気づきや思いを、読み手である私たちへも投げかける力強さを感じました。障害の有無によって分け隔てられることなく、互いをよく知ることで、人格や個性を尊重することを、改めて大切にしたいと考えます。

多様な性について、自らの経験をもとに取り上げた作品も入選作品となりました。自分や身の回りの習慣や常識について立ち止まり、多様な性について知ろうとすることに加え、自らが理解を深めたいという思いが力強く表現されていました。

自分が支えられた経験から、他者の支えとなりたいという強い思いを深く胸に留め続けている方の文章からは、私自身もそうありたいという願いを強くしました。このように、人と「かかわる」とは、自分や他者をより知ろうとする働きかけだとする作品も複数見受けられたことも深く心に残っています。

 

今年度も、新型コロナウィルス感染症にかかる作品を応募いただきました。このような、不安定で先が見えない状況の中でこそ、身近な家族や友達、周りの人たちと、互いに大切にしながら確かなつながりを築いていただきたいと願っています。

加えて、どの部門にも、「多様性を認め合おう」とする作品を見受けました。その中でも、性の多様性に目を向ける作品を多くお寄せいただきました。様々な価値観や多様性を認め合い、一人一人が「自分らしく」生きることが実現するよう、強く念じています。

応募いただいた作品は、読まれた方に「人権とは」と、鋭く投げかけてくれています。日常生活の、何気ない光景の中で、人権の重みや人としての在り方に、人権意識のアンテナを高く張っていることが伝わる多くの作品に出会わせていただきました。今後も勇気をもってどんどん文章などで発信いただき、人権尊重の願いが広く確かに醸成される貴重な機会となることを願ってやみません。

(高橋 乃生子)

作文部門選考委員
    岡崎 正彦
    高橋 乃生子
    竹内 彰

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この記事に関するお問い合わせ先

企画振興部 人権政策課 人権啓発係

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