【第12回】彦根城イコール井伊家の城、これってホントはスゴイんです

彦根城イコール井伊家の城、これってホントはスゴイんです
お城と城主の関係
彦根城と言えば、井伊家の城。これが私たちのイメージですよね。
実は、お城の姿を見て城主の大名をイメージできるお城は意外に少ないのです。
国宝になっている5城に絞ると、姫路城は5回、松本城は6回、松江城も2回、城主である大名が代わっています。
ちなみに、犬山城は尾張藩の家老が城主なので、大名のお城ではありません。

江戸自体のお城は幕府からの預り物だった
江戸時代になると、お城や土地は、大名の所有物ではなくなりました。
最初にその地域に配置された大名がお城を作って城主になりますが、これは大名本人でなく幕府のためであり、お城も土地も幕府から預かるという形でした。
政治に失敗し、地域が不安定になったりすると、新しい大名にその城と土地が預けられるということがよくありました。
井伊家は特別な存在だった

井伊家は、譜代大名の筆頭で、将軍を補佐する役割を担った特別な立場の大名でした。
直弼をはじめ、4人の当主が計5回、大老職に就くなど、将軍の信頼が最も厚い大名だったことと、良い政治によって地域の安定が乱れることがなかったので、築城から幕末まで変わることなく彦根城の城主を勤め上げることになりました。
彦根に住む私たちが、「彦根城は井伊家の城」と普段当たり前に思えることは、実はスゴイことなんです。
(広報ひこね2023年10月号掲載)
更新日:2025年09月05日